竜之助は、黒蝶の正体を知る…ただ1人の人物。


確実に殺さねばならない。


…なのに。

殺せないのは、なぜだろう。


そして…。

もっといっしょにいたいと思うのは、…なぜだろう。



「椿!」


竜之助の声で、我に返る由羅。


「椿のこと、教えて?」

「…え?」

「『え?』じゃないよっ。俺の知らないこと、たくさんあるだろ?」

「竜之助の…知らないこと?」