「由羅、なにしてんだよ?」


颯は、不思議そうに由羅を覗き込む。


ここは、由羅の家。

床で颯が寝っ転がり、その隣で由羅はなにやらせっせと手を動かしている。



「見ればわかるだろ?裁縫だ」

「それはわかってるけどー。お前、着物には困ってなかっただろ?」

「私のではない。人から頼まれたものだ」


由羅は赤い布を、針と糸を使って器用に縫っていく。