「あ、莉奈!」

「莉奈ぁー!ちょっと右手を出してあたしに触らせなさい!」

「莉奈…大丈夫だった?」



教室に戻ると栞、優花、紗羽というお決まりの順番であたしの所に走ってきた。



優花さん…下心満載すぎるでしょ。


あたしがあいつに掴まれた右手を差し出すとすぐに同じように掴んで、

「やばい、あたし颯斗くんと握手してる気分!」

とか言い出してる…



「颯斗くんは莉奈に何の用だったの?」


栞にそう質問されてさっき渡された映画のチケットをポケットから取り出した。