『ゆ、夢野詩音です……
よろしくお願いします』




学校に登校してきて、

転入することになったクラスの皆に
自己紹介をした。



私、コミュ障のフリ結構上手な気がする!


つい心の中で自画自賛してしまう。




『夢野さんはこれから
このクラスの一員です、皆仲良くしていきましょう』


担任の若い女の先生、
浅井先生が明るく言ってくれた。




席に座っているクラスメイトを見ると、
みんなと派手めだった。


不良みたいな子はあまりいないけれど、
化粧の濃い女子やスカートの短い女子が多く、男子も田舎者のような見た目の人はいなかった。









『では、夢野さんの席…どうしようかな』



先生が教室を見渡す。







『あ、橘くんの隣の席あいてるわね
窓際の!』



先生の言葉に嫌な予感を覚えた。





"橘くん”とはもしかして


あの"橘くん”ではないよね……??





先生に言われた通り、空いている
窓際の席に視線を向けた。



そしてその隣の席に座っていたのは、


あの橘くんだった……