「舞浜ーー」


「ハーイ」


「諸橋ーー」


「ハイ」


「八木ーー」


「…ハイ!」


私の隣の席のミハルが、緊張した面持ちで教卓の前に立っている先生の所に歩いていく。


名字が“やまなし”で“やぎ”の次の私は、ドクドクウルサイ心臓をどうにか抑えようと必死になっていた。


『月見里、頑張れよ』


『オレも適当に頑張るし』


『彼方、適当とか言うなよ。月見里さん、リラックスね』


脳裏に蘇るのは、化学のテスト直前に励ましの言葉をくれた春日君・郡司君・阿久津君の姿。


そして…初めて見た、京極君のあの笑顔だった。