ジイジは、寝る時には入れ歯も外して眼鏡も外しているから別人のようだと孫の健太は思った。


たまたまママと遊びに来たら大好きなジイジが、昼寝してるのを見てしまいイケナイ物を見たような気がした。


口がポッカリ開いて中が暗い空洞のようで怖かった。


いつもは、痩せているが、眼鏡を掛けて健太君来たかと喜んでくれるが、今は図鑑で見たミイラのようだった。


怖いが、健太は、目を離せずにいた。



前に仲良しのおいちゃんが、ジイジは寝てる時に魂がホワホワと抜けると言ってたからかも知れない。


ジイジが、おいちゃんのパパであることを六歳の健太は、最近知ったが、いまいち実感が沸いてなかった。


おいちゃんは、いつもはジイジと住んでているはずなのに今日は居なくてママに少し待ってたらおいちゃん戻るよと言われていた。


ママは、そう言うと買い物に出掛けたようだった。



あ!!っと健太は声をあげそうになる。


ジイジの口から何か黄色い物が出て来ていた。


少し臭かったが、おいちゃんの言うようにホワホワとした物だった。



それは、触れば壊れそうなので健太は怖いが見ている事しか出来なかった。


黄色かったのが赤くなったり緑になったりした。


何か小さな声のような物も聞こえて来た。


健太は、おいちゃん早く戻らないかなと思いながらも見なくては、いけない逃げてはいけないと思った。


パパからもおいちゃんからも男は逃げては駄目だと言われていたからかも知れない。