「カーイー!」



私は絵画の勉強中。
庭で、絵を描いている最中だ。

絵は専門の画家の先生が教えてくれることになっているので、その間カイは少し離れたところでこの様子を見ている。
そのカイに大きく手を振り作品を掲げてみせる。



「姫、まだ途中でしょう」

「はぁい!ここまで頑張ったから見てもらいたかったの!」




呆れ顔の先生。
カイは、遠くで困ったように笑っている。

カイの隣には今日はノアもいる。
ノアはちょうど休憩時間らしく暇つぶしに来ているみたい。



私は、前を向き筆を手に取ると、再び集中して絵を描いていく。



絵は嫌いじゃない。
堅苦しいことを言われるのは苦手だけど、自由に書けるときの絵は好きだ。




「絵を描いている時の姫は、とてもいい顔をしますね」

「・・・そう?」

「はい。とても楽しそうですよ」




先生がそう言って笑う。