「大丈夫か?」



心配そうに私を見上げるのはノア。
私の捻挫した足の手当てをしてくれ、その体勢から顔を上げる。

崖から落ちそうになった時、私は足をひねってしまっていた。
そして、恐怖から動けなくなった私をカイが抱えてここまで戻ってきたのだ。

カイは、丁度であったノアに私を託したままどこかに行ってしまった。




「平気よ、これくらい・・・」

「怖かったんだろ。無理すんな」




ポンッと頭を撫でられる。
怖かったけど、それ以上に楽しかったもん。

怖かった記憶で塗り替えたくない。



せっかくカイと二人だったのに。
カイはすぐどこかに行ってしまうし。




「カイは?」

「このことをレオさまに報告に行ってる」



私のせいだ・・・。
私の不注意で。