よく見ると、自分を囲む七人の小さなおじさんはみんな似たような顔付きで、それぞれ色違いのオーバーオールを着ていた。

「………」

 目の前の光景に声もなく驚いていると、

「この娘ッこか?」

「確かに男女に見えるだなやぁ」

「腰に細剣をさしてるだ」

 剣?
 言われて半身を起こした明美は、いつの間にか剣を腰に挿している自分に驚く。

「予言の通りだなや」

「んだんだ」

 自分を見ている七人の顔が、意味のわからないことを口走っている。

 だいたいここはどこ?
 なんで私、こんなとこにいるんだ?
 さっきまで……どうしてたっけ?

 頭の中が霞がかったようにはっきりしない。
 頭を押さえながら考え込む明美の周りで、再び七人のおじさんたちが話し出す。

「おら達を助けてくんろ」

「一年に一度の収穫祭の」

「大事なかぼちゃが盗まれてしまっただ」

「今日この日、異世界から現れる男のような娘ッこが」

「魔女に奪われたカボチャを奪い返してくれるって話なんだ」

「予言は当たっただ」

「んだんだ」

 皆が明美を見て大きく頷いている。
 よくわからないが、勝手に救世主に祭り上げられているようだ。

「ちょっと待って! 何がなんだかわかんないんだけど! とりあえず順を追って話して」

 放っておくと納得もできないままやっかいごとを押し付けられそうだったので、とりあえず話しを聞くことにした。