………図らずも、真鍋の彼女である沙衣さんと対面することになった。


見た感じ、沙衣さんというよりも沙衣ちゃんという方がぴったりだ。

年も俺たちより3歳若い。



「ごめんな、こんな夜中に」



「いや俺は平気、どうせ当直だったし」



夜の映画が終わったあと、
沙衣ちゃんは貧血で倒れたらしい。

意識を飛ばしてしまった沙衣ちゃんを抱えて、救急にやってきた真鍋に遭遇した俺はふたりを診察室へと招いた。



「でもそれより……」



血液検査の結果を真鍋に見せようとファイルから取り出したとき、

寝ていた沙衣ちゃんが動いた。