***
文化祭当日。
高校生になってはじめての文化祭だから、始まる前からどきどきしていた。
「他校の男子と出会うチャンス!」
教室のドアの前に立って、沙耶はとてもはしゃいでいる。
「沙耶はさ、どんな男の子が好きなの?」
「えっとね、かっこよくて優しくてサッカー部で勉強できて気遣いハンパなくてそれからね……」
「多すぎ!」
わたしはあきれた笑みを浮かべながら沙耶の肘をつついた。
「食べ物も楽しみだよね。焼きそばとかたこ焼きとか。ポップコーンも食べたい!」
パンフレットを開いた沙耶は瞳を輝かせていた。
昨日の夜はたくさん泣いた。
頭が重かったけれど、今日は余計なことは考えないで楽しむ。
せっかくの文化祭だもん。
隣にいる沙耶も、わたしと校内をまわるって楽しそうに言ってくれたから。
沙耶とわたしは10時から11時のお会計係りだった。
駄菓子の売り上げはそこそこ。
ラムネや棒つきキャンディーなどが売れていた。
「お昼過ぎくらいになったらもっと売れるかな? 人まだまだ来そうだし」
交代の時間になり、賑わう校舎の廊下に出た沙耶は大きめの声でそう言った。
「だね。様子見て忙しそうだったら手伝ってあげよう」
わたしの言葉に沙耶はうなずいた。
文化祭当日。
高校生になってはじめての文化祭だから、始まる前からどきどきしていた。
「他校の男子と出会うチャンス!」
教室のドアの前に立って、沙耶はとてもはしゃいでいる。
「沙耶はさ、どんな男の子が好きなの?」
「えっとね、かっこよくて優しくてサッカー部で勉強できて気遣いハンパなくてそれからね……」
「多すぎ!」
わたしはあきれた笑みを浮かべながら沙耶の肘をつついた。
「食べ物も楽しみだよね。焼きそばとかたこ焼きとか。ポップコーンも食べたい!」
パンフレットを開いた沙耶は瞳を輝かせていた。
昨日の夜はたくさん泣いた。
頭が重かったけれど、今日は余計なことは考えないで楽しむ。
せっかくの文化祭だもん。
隣にいる沙耶も、わたしと校内をまわるって楽しそうに言ってくれたから。
沙耶とわたしは10時から11時のお会計係りだった。
駄菓子の売り上げはそこそこ。
ラムネや棒つきキャンディーなどが売れていた。
「お昼過ぎくらいになったらもっと売れるかな? 人まだまだ来そうだし」
交代の時間になり、賑わう校舎の廊下に出た沙耶は大きめの声でそう言った。
「だね。様子見て忙しそうだったら手伝ってあげよう」
わたしの言葉に沙耶はうなずいた。