「ねぇ!ちょっと、心菜!王子様と付き合ってるって、マジなの!?」


朝の教室は、騒がしい。


そして今日は、もっと最悪。


なんで、なんで梨勢が知ってるの!?


もうそんなに、噂が広まっちゃってるの!?


「梨勢、ごか…」


私は、そこまで言ったところで、フと思い出した。


私、先輩に「すごい」って言わせるために、頑張るんだってことを。


……よし。

もうここは、しょうがない。


ごめん、梨勢!!