ピーンポーン、と軽快な音が周囲に響いた。


ガチャリと玄関の向こうには昨日ぶりの桃にぃの姿が。いつもより機嫌が最高潮によさそうなのは多分気のせいじゃないと思う。



「おはよ」


「うん、おはよう。と言ってももうお昼だよ桃にぃ」



はい、頼まれたもの、と紙袋を渡せば、桃にぃは「ありがと」と言って受け取った。



「姉ちゃんは?」


「んー、寝てる?」


「なんで疑問形」



て言うかもう昼の12時なんだけど。まだ寝てるとか姉ちゃんどんだけだよ。


呆れた視線を中にいるはずの姉ちゃんに送れば、桃にぃはくつりと小さく笑った。その色っぽさと言ったら女の人にも負けないぐらいで、その辺の人に少し分け与えてほしいぐらいだ。じゃないと心臓に悪い。



「1回ハナも起きたんだけどね」


「………」



姉ちゃんまさかの2度寝かよ。どんだけだ。


しかも聞いたところによると起きたのも2時間ぐらい前。1回起きたんだとしても寝すぎだと思う。



「んー、でも俺にも非はあるからなー」


「?」