暑い夏、私は時々あの三つ子達を思い出す。
お互いが大切で、でも時々邪魔で、、、、でも、居心地の良い場所。 

彼らはそれが普通だった、、、、10を迎える日までは。

どうしても避けられない運命に向かい合い
(墓流し)と(墓残り)を受け入れた子供達の話。今日はその話をしていこうと思う。

泡路 道(アワジ ドウ)、歳は現代で言うとおおよそ三十路後半位のおっさんだ。本当におっさんかと言われても、泡路自体が歳を分からないのだから何とも言えないのだけれども。
生まれた時、育った場所や環境。
何もかもがわからないからだ。
泡路の外見は少し普通とは違う、雰囲気はただのおっさんなのだが、髪の毛は少し金色が入った白髪のようでそうでない色をし多少ウェーブが入っているロングを二つに束ねている。
服は何層にも重ねた白い着物、赤い彼岸花の模様。ハイウエストのコルセットにジャラジャラと丸いものや尖ったものを付けている。
それだけでも結構怪しい人なのだが、何よりも背中に背負っている大きな篭が目を引くのだ、、、、桶と言えば桶で篭と言えば篭、しかしそこには頑丈な鍵がついていた。作物を入れる物でもなく、まさかそこに死体をいれる訳でもないだろう。それが普通と言うものだから。

しかし、泡路は変わっている。
普通とは少し違う。
泡路にとっては普通ででも普通から見れば変な世界、そんなお話。

ミーンミーン(蝉の鳴き声)

ジリジリと体を暑くさせる太陽に、泡路はぼやいていた

泡路(あぁ、もう。こう毎日毎日あっちぃんだろーね。やってらんないよーまったく。)

手を額にあてながら冗談じゃないよと眉をしかめる

ミーンミンミーン
ミーン、ミンミンミン、、、、

泡路(少し日陰に入らないとまじぃな。体にくる。でもここら辺は日陰が少ないな、、、、こんなに木があるてーのに、(光)が多すぎる)

ミーン
ミーンミンミーン、、、、

泡路(、、、、。)

ミーンミンミーン、、、、ミーン!

泡路(、、、、。)

ジリジリ、、、、
ミンミンミン、、、、(蝉の声)

泡路(み、、、ミーンミーン、、、、)

と呟いたかと思った瞬間、泡路は道に大きな体をドデーンと倒していた。