声が聞こえる。

自分の呼吸の荒さを感じながら、その声に応えようとなんとか薄目を開いた。


「立川さん!」


この人は・・・誰?


「へー・・・き」


朦朧とする意識で立ち上がろうとする。
・・・が、足に力が入りきらずふらふらと壁に寄り掛かった。


「そっ・・・それ平気じゃないよね?!ちょっとぉ!?!!」





最後に見えたのは、私を支えようとする手と、心底焦った彼の顔だった。