《蓮央side》



風呂から上がって部屋に戻ると、あの女はすやすやと眠りこけていた。


俺のお気に入りのクッションを抱いていやがる。


チューハイは……飲んだみたいだな。


空になった缶を拾い上げ、ゴミ箱に捨てた。


自分もソファーに座って、寝ている彼女をまじまじと見つめる。


やっぱり、なんていうか……綺麗だ。



初めて見た時、なんて綺麗な女だろうと思った。


綺麗なだけでなく、可愛い。


腰まである黒くて艶やかな髪は白い肌によく映えているし、長くて上向きのまつ毛に大きな目。


鼻と唇は形が良くて少し小さめ。



化粧いらずの、まさに美少女だ。



ただ……とても冷めた目をしている。