―――バキッ!!




暗く湿った路地裏に、骨が砕けるような音が響く。



「っぐあぁっ!!」



脇腹のあたりを押さえて転げ回る男。


あ、肋骨あたり砕けたかな。



「ごめん、加減できなくて」



言いながら、もう一発蹴りを入れる。


男は壁に叩きつけられて、気を失ったみたい。


周りにはそんな男が七、八人転がってる。


あーあ。

弱すぎるでしょ、女にやられるとか。



つまんない。



全員が意識を失ったのを確認して、路地裏から大通りに出る。



真夜中だというのに、ネオンはギラギラ光っていて眩しい。