「ひかげ!」





私を呼ぶ声。





「きょうくん…」




ずっとずっと話しかけられるのが嫌だった。





「お前が髪飾りとか気持ち悪い」




そう言って幼い彼は私の髪の毛から無理矢理髪飾りを奪う。





「か…かえして…」




取り返そうとしても届かなくて…






「返すわけねーじゃん」





髪飾りを自分の服のポケットに入れてしまう。





「あ…」






「返して欲しかったら俺にキスしてみろよ」






はははっと笑う悪魔の顔。







今でもはっきり覚えてる……。