総「行くよ。美夜ちゃん。」


美「うん。」


 私達一番隊はこれから巡察。


 最近は夜の巡察にも参加させてもらえるように。


 浅葱色の羽織を着て、今日の街を歩く。



 やっぱり、夜の京は静かだな。


 ふと、島原を出てきた日の事を思い出す。


 みんな、元気にしてるかな。



 
 ……………………ん?


 なんだろう、この違和感。


 妖気?


 かなり強いな。


 人数は………一人?


 殺気を感じる。


 多分そいつは、私達のことを見ているし、私が気付いたこともわかっている。



 この感じは、陰陽師?


 でも、何も仕掛けて来ない。


 何が目的だ?


 私は気にも留めず、背を向け、再び歩き出した。





シュッ





グサッ





 な………に?これ………



 私の腹部に貫通しているナニカ。


美「ぐはっ!!!」


 胸から込み上げてくる何かを口から吐き出す。


 紛れもない自分の血だ。


総「美夜ちゃん?!!!」



 総司の声が聞こえる。


 クソっ


 私は消え行く意識の中、陰陽師の事を考えていた。