私は殺し屋。


 肉親を殺された。


 親を殺した長州の奴らが憎い。


 私が殺すのは長州だけ。


 人を殺したりした長州浪士は必ず、翌日の朝には死んでいる。


 奴らの部屋に忍び込み、後ろから。


 いつしか、長州に恐れられる殺し屋〈猫夜叉ネコヤシャ〉と呼ばれる様になった。


 


 私は猫又一族の最後の生き残り。猫継美夜ネコツギミヤ。


 私達猫継家は、他の妖怪と違い、京の街に住んでいた。


 それは、変化が得意だから。


 極々普通の«人間»として、ずっと暮らしてきた。


 お父さんもお母さんも優しくて。


 幸せだった。


 …………………………のに。


 猫継家の親戚の一人が長州の浪士を怒らせてしまい、斬り殺された。


 その際、思わず猫又の姿に変形してしまい、仲間の居場所を聞き出された。


 すぐに長州が乗り込んできて、猫継家は皆殺し。


 お父さんもお母さんも目の前で殺された。





「バケモノはいちゃいけねーなぁー。アハハハハハハ」





 高笑いしながら次々と殺していく浪士達。


 後ろから近づいた浪士に私も背中をバッサリ。


 血を流しながら、走った。


 燃える家を背中に、とにかく走った。


 七歳の事だった。


 夜道で死にかけていたところを、鈴、という人に助けられた。


 鈴さんは島原の芸子さん。


 行く宛もなかった私は、升屋というお店に住まわせてもらう代わり、働くことになった。



 猫夜叉、として人を殺しながら。



 猫夜叉の特徴の面をつけ、私の愛刀でもあり、妖刀〈櫻騎山オウキザン〉で。



 あれから7年の月日がたち、私は14才に。