「先輩、普段は何歌います?」


「あまり高音じゃないやつ。
高い声でないんだよね」


「んーじゃあ…これ、デュエットしません?知ってますか?」


「うん」


ああ、幸せ。


このまま、時間が止まってしまえばいいのに。


って、何メルヘンなこと言ってるんだか。


自分で思っておいて引いた。


…にしても…


ミホちゃん、歌うますぎ。


天使の歌声ってこういうことを言うんだ。


柔らかくて、

透き通っていて、

高音がすごくキレイ。


目を閉じると、ミホちゃんの声だけが届く。


ミホちゃんの歌声が部屋中に響いて、アタシの身体を包み込む。


心地いい。


アタシはデュエットしていることを忘れて、その歌声に聞き入ってしまっていた。


…その罰。