*TAICHI side*



「太一。一つ頼まれてくんない?」


「……何だよ?」


まだ倉庫に来て5分も経ってないってのに、いきなり頼み事とは……相変わらずこいつは鬼畜な野郎だと思う。


今鞄下ろして、ようやくソファーに座った所だろうが。


空気読めよ。


……なんて到底言えるわけもなく。


言ったら余計に面倒臭いんだよ……こいつは。


「今日、茉弘が理さんの店に行ったんだけどさ、お前に迎えに行って欲しいんだよ。」


「はあぁ~?何で俺が!お前が行けばいいだろ。」


「俺が行きたいのはやまやまなんだけどな。これから行かなきゃいけない所があるんだよ。」


恭は、出る仕度をしながら言う。


「他の奴だって……」


「みんな何やかんやあるから頼んでんだろ。」


おいおいおいおい!


何で今日に限って!




「……俺も用事が……「いいから行け。」




結局俺は、しぶしぶ倉庫を出る。


あいつは、キレさせると質が悪りぃんだよ。


言うこと聞いておくに越したことはない。


っつか、まぁ、迎えに行くぐらいいいんだけどよ。