ケータイ小説 野いちご

生徒会の白雪姫

第二章
居残り組

「はぁ・・・白雪~」


 白雪達が合宿に出かけて(まだ)1日。


 すでに陽の我慢は限界に達していた。


「しーらーゆーきー」


「何あれ」


「白雪不足らしい」


「朝からずっとこんな感じよ」


 生徒会室にやって来た稜介・真澄・京は陽の今の状態に呆れる。


「雪ちゃん不足って・・・明日には帰ってくるじゃん」


「明日じゃなくて、"今"会いたいんだ!声を聴きたい、顔を見たい、抱きしめたいんだ!!」


「えっ、何この人。2人って付き合ってたっけ?」


「まだだよ!」


「何で自信満々なのよ」


 陽がうるさく面倒なのはいつもの事だが、今日はいつにも増してうるさく面倒だ。


 そんな陽を止められるのは唯一の安定剤である白雪だけだが、その白雪がいないのではどうしようもない。


「そう言えば昨日、なるみんから"いいとこだね♪"ってきてたよ。ちなみに雪ちゃんの写真付きで」


「はっ!?」


「稜介、火に油を注ぐな」


「だってホントの事だし~」


 稜介はそう言って陽に写真を見せびらかす。


「あ、おい!稜介それオレにもくれ!!」


「やーだ♪」


 断られた陽はムキになって稜介を追いかける。


「いつも通りの日常だな」


「ええ、いつも通りの日常ね」


 真澄と京はと言うと、円形の机の自分の席に座り優雅にお茶を飲んでいた。


 するとその時、誰かの携帯が鳴った。


「誰だ?」


「オレのだ」


「もしかして雪ちゃんからじゃない?」


「えっ!!」


 陽はドキドキしながら携帯を確認する。


「なっ!?」


「どうしたの?ひなちゃん」


 固まっている陽に声をかけ稜介は携帯を覗く。


「あっはははははっ!!」


「急に笑い出してどうしたんだ?」


「み、見てよまみちゃん。これっ・・・」


 稜介は笑いながら陽の手から携帯を取り真澄に渡す。


 そこには鳴海から陽に宛てた文章が書かれていた。


「誰から?」


「鳴海からだ」


 真澄は京にも状況が分かるように書かれている文章を読み上げる。


「ひなちゃん、元気にしてる?そろそろ雪ちゃん不足だろうと思って雪ちゃんの写真を送るね。はい、雪ちゃんが口説かれてる写真♪・・・だそうだ」


 それを聞いた京の顔つきが変わる。


「白雪が・・・口説かれてる?」


「京?」


「どこの誰に?」


 顔は笑ってるが目は一切笑っていない。


「面倒なのが増えたな」


「でもさすがにこの写真だけじゃどこの誰だか分かんないよね~」


 写真には白雪と男子生徒が写っているのは分かるが、男子生徒は後ろを向いていて誰なのかまでは分からない。


「続報を待つしかないね」


「そうだな。ところで京、時間はいいのか?」


 写真を凝視している京に時計を見るよう促す。


「もうこんな時間?白雪の事は気になるけどアタシ帰らなきゃ」


「何だよ京、もう帰るのか!?」


「ええ、今日はデートなの」


「裏切者ー!!」


 別にそんなんじゃないわよ、と言って京は自分の荷物をもってさっさと帰ってしまった。


「仕方ない。オレだけでもこの男が誰なのか調べて・・・」


「気になるなら鳴海に聞けばいいだろ」


「そこを聞けないのがひなちゃんなんだよね~。ホントにもうヘタレなんだから」


「お前に言われたくない!!」


「俺はヘタレじゃないし!!」


 そこから2人の言い合いが始まってしまった。


「はぁ・・・・」


 真澄は溜め息をつきながら白雪と鳴海に早く戻ってきてほしいと願うのであった。

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