さみしいって言って、か。



蛍がほぼ毎日、家に来るようになってもう1年半近くになる。



今でこそ毎日来るのが両親的にも当たり前みたいになっているけど、以前はこんなに頻繁に顔を出さなかった。



幼馴染みと言ってもただ単にお隣さん同士で親が仲良し、ってだけで、常に顔を合わせたり、一緒にいる訳じゃないから。



だから数日間蛍が家に来ない事をさみしいだなんて思わない。



大体、学校の行きは一緒だし、クラスの男子は蛍に夢中で、蛍の話しを聞かない日はないし。




「これ見てみろよ。青柳さん。超キレーだよなぁ」



ほら。

朝からもう蛍の話題。



『現像したのか?』



「あたりめーだろ」



昨日の放課後、蛍のクラスに写真を撮りに行ったばかりなのに、朝からウットリ現像された写真を眺めている山田の目尻と鼻の下は完全に筋力が緩んでいる。



仕事が早いと言えば聞こえはいいけど、多分、単純に写真を手元に置きたかっただけ。



「あー。目の保養になるわぁ」



目の保養って。