「浩太、今夜、校舎の屋上で会いましょう。

校舎の屋上から見る星はきれいだから」




浩太は夏希からのこんな誘いは無視して、家から出ないつもりでいた。




でも夏希のあのセリフを聞くと、浩太は自分の意思とは裏腹に、校舎の屋上に行かなくてはと思ってしまう。




「私たち、友だちなよね」って……。




夏希のそのささやきは、浩太の胸をしめつけて、浩太の心を支配した。




〈 夏希がオレを呼んでいる。

オレは夏希のところに行かなくちゃ。

オレたちは、友だちだから…… 〉