部活の時間が終わり、誰もいないはずの体育館から、バスケットボールが弾む音が聞こえていた。




私はその音を聞いて、体育館を覗き込むと、そこにはシュート練習を繰り返す浩太の姿があった。




私は浩太に気づかれないように、そっと体育館に入っていくと、浩太がシュートしたバスケットボールが、リングに弾かれ、私の前に転がってきた。




私がそのバスケットボールを拾い、顔を上げると、私と浩太の視線がぶつかった。




私はそのとき、浩太に微笑んで、手にしたバスケットボールを浩太にパスした。