「おやすみ、鈴」


「おやすみなさい。」


あたしたちはそれぞれの布団の中に入り眠る


…といっても、あたしは寝れない気分な為寝たふりをしていた



「…スー」


「…なんや、寝るの早いなぁ鈴は。」


山崎さんはあたしが寝てると勘違いしてそう言った


ゴソ


気のせいか、山崎さんはあたしに近づいてるような気がする。


あたしたちは背中合わせで寝ていた


それでも、あたしは気配でそう感じ取った


「…早う、記憶が戻れるようになればいいな」


ズキ


「元気がない鈴を元気付けようとして、出掛けたんや。」


ズキ


「せめて名前だけでも思い出せれたらええのにな…」


ズキ


『嘘』がこんなに辛いことだとは思ってはいなかった


心がとても痛む


けど、あたしはどうしても『嘘』はつかないといけない。