彼女とは、その後も何度か会ったが、体調が悪いのか頭痛や目眩がすると言い出し始めた。

僕は、病院に言ったのかと聞くと行ってないと答えた。

離れている時も彼女は冗談めかしてメールで体調が良くない事を訴えるようになった。

僕達は、離れた所に住んでいた為にメールや電話が主な通信手段だった。


彼女は、突然病気の事をメールで明かした。

病院には行ってないと言いながら異変が出始めて実は直ぐに行っていたようだ。

病気は、進行してて直ぐに無菌室に入りたいが、それもなかなか難しいとメールで知らせて来た。

ほとんど助かる事のない病気だった。


彼女は入院中も何度もメールしてきた。


僕は、彼女を励ますしかなかった。

夜中のメールにも対応する為に音量を最大に上げていた。


彼女から連絡が途絶えて半年ほどして彼女が亡くなったのを知った。


僕は、呆然とするしかなかった。

悲しみは徐々にやって来て僕を苦しめた。


あれから約三年が経つが、僕は彼女を忘れない。


彼女との例のウェスタンブーツは時々出して手入れだけはしている。


彼女は今はこの世に居ないが、僕は寝てる時に突然思い出して起きる事があった。


二人でペコンペコンと鳴るウェスタンブーツで何処か皆の知らない世界に逃げれば良かったと今でも思う。


ペコンペコンと鳴るブーツは、イカれた女と男にお似合いな気がする。


彼女を今後も僕の記憶から消すのは無理だろう。


ロックンロールを僕は今でも好きなように彼女の事が好きだからだ。







あーあーあーあー!ペコンペコンとブーツが鳴る。