【side亜里沙】


「亜里沙ちゃーん、お疲れ様〜!!」



赤やピンクの綺麗な花束と共に、色紙が手渡される。


今日は私のMiyakawaでの仕事最終日。


ベーカリーのメンバーが全員揃って、私にプレゼントをくれた。



「これ、みんなでお金出して、私が選んで買ってきたの。

亜里沙ちゃんに似合うと思って」



沙良さんがそう言って渡してくれた袋に入っていたのは、ベビーピンクのシュシュと、シフォン素材のリボンがついたヘアゴム。


どちらもすごく可愛らしくて、思わず声をあげた。



「うわぁ〜!すっごく可愛いです!

ありがとうございます!!」


「いやぁ、よく頑張ったね。

またいつでもバイトしに来てくれていいからね(笑)」


「亜里沙ちゃーん!

うぉー!俺はさみしい!!

絶対絶対また会いに来るんだぞ!

将来はウチに就職してもいいぞ!」



穏やかに笑う畑さんの隣で、樹さんは目を真っ赤にして泣いてる。


それを見たら私までもらい泣きしそうになった。



「ありがとうございます…。

ほんとに色々勉強になったし、楽しかったです。

皆さんお世話になりました」



その後ろで腕を組んだまま無言で立っている琉衣くん。


相変わらずふてぶてしくて…


見かねた樹さんがドン、とど突いた。



「おい!琉衣!

お前もなんか言ってやれ!!

お前は亜里沙ちゃんがいなくなって寂しくないのか!」