午前中の授業が終わり昼休みになった。
私は苛ついている。拓也を待っていること、それと

「杉山くん杉山くん!」

「杉山ではない、世翔だ」

「杉山くんって何人兄弟なの?」

「世翔だと言っているだろう。2人だ」


中二病の周りには沢田を筆頭に女子たちが群がっているからだ。煩わしい。よりによって転入生の席が私の前だなんて。


「お待たせ雪輝。行こうぜっ」

「遅い。なに話してたの?」


面倒見の良い拓也はその人柄の所為か、頼られることが多い。教員たちからの頼まれごとも、嫌な顔一つせず引き受ける。その為周りからの支持は多い。


「いやぁ、あのバカはいつ登校してくるんだーって言われちゃってさ。毎日毎日、勘弁して欲しいよな」