昔から愛想は良いほうではない。おまけに父親似の鋭い目、年齢にはそぐわない冷めきった性格。

そんな訳で友人と呼べる人も少なかった。

それは高校三年生になった今でも変わらずで。

この学校は二年生から三年生にかけてクラス替えが無い。
そのためクラス内に複数存在する女子グループの皆さま方は甲高い声を出しながら喜びあっていた。

あぁ厭わしい。

私は頬杖をつき、それを白々と遠目に見ていた。

そういえば担任の宰相が今日、転入生が来るって言ってたな。

そんなことを考えながら私は視線を窓の外へと移した。

昨日から雨が降り続いている。五分咲きの桜の花が散ってしまわないか心配だ。