ケータイ小説 野いちご

炎昼とターコイズ

時計はいつも右回り




その1。とにかく暑い。

どうしてそこにいるだけで汗をかかなきゃならないのか。というかそもそも暑さとはなんなのか。暑いのは嫌いだ。



その2。うるさい。

どうしてこのクソ暑い中で蝉は元気に鳴いていられるのか。鳴かずに木に寄り添うくらいの控えめな元気さじゃダメなのか。ってかもはや日の光自体がうるさい。眩しい。うるさいのも眩しいのも嫌いだ。



その3。人が集うイベントが多い。

だからなんでこの暑さで外に出ようと思うんだ。 俺がおかしいのか? プールの誘いを頑なに断ってリビングのソファを陣取る俺の感覚がズレてるのか?




以上。俺が夏を嫌いな理由みっつ。




それと、去年。

弟にせがまれて重い腰をあげ、家族で行った海で懐中時計を失くしかけた。

あれは今思い出しても最悪だった。


何時間も探し回って、結局は見つかったわけだけど。でも見つかったから良いとかそういう問題じゃない。

父さんの形見だった時計をそんな風にしてしまった自分に腹が立った。


すごく大切だったのに。
大事にしてたつもりだったのに。



だから俺は夏が嫌いだ。

前よりも、ずっと、嫌いなんだ。



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