数日後、いろんな人が面会に来てくれた。

それでも、声は出なかった。

みっちゃんを前にしても、話したいことを話せないで…

陸とも話せない…でも、今日陸はお花を持ってきてくれた。

松葉牡丹。花言葉は、可愛さ、無邪気。

夏来みたいな花だと陸は言ってくれた…。

でも、私はこんなに可愛くないし、無邪気にはしゃげる気もしないや…

なんでだろ…

「ごめん…大好きなのに。」

無意識にそう呟いていた。

――あれ?私今どうやって声出したっけ…

「あ…ああ…出せた…」

これはきっと陸のおかげだね…

でも、声が出せたのになんか嬉しくないや…

なんでだろう。

あれ?なんか眠い…誰も来ないし、寝てしまおう…









…水の中にいる感覚だった。









…ふわふわと浮いているような。









…そんな感覚。









…でも、なんだかここにいちゃいけない気がして。









…そこで目が覚めた。