ここのところ、ユキは城下におりては何やらコソコソとしている。




俺の名前は、レオ。
フリーシア王国の王だ。



その王妃であるユキは、今日も今日とて旦那である俺を差し置いてどこかに行ってしまった。
午後からは時間が開くと言っておいたのに。

気に入らん。





「城下に行ってくる」

「でしたら、私も・・・」

「いや。公務ではないから一人で大丈夫だ」

「で、ですが」

「お前にもお前の仕事があるだろう。別に城下におりるだけだ。案ずるな」




心配するグレンにそう言い含め、ラフな格好に着替えた俺は城下におりる。
城下は落ち着く。


公務に追われた城の中にいるよりは、幾分気分転換にもなる。




今日はひっそりとしたい気分のため、軽く変装をして身分を隠し城下におりた。
たまには、こういう日があっても罰は当たらんだろう。