ケータイ小説 野いちご

妖の王子さま

参ノ章
大天狗と鬼




それからは、穏やかな日々が続いていた。
蒼子の傷はいつもの通りすぐに塞がり、しばらくは白玖も戦に出ることはなかった。




そして今、白玖は蒼子の膝の上で眠っていた。




「子どもみたい」




白玖の寝顔を見下ろしながら呟く。
可愛いとすら思う。

蒼子の側だとよく眠れるという白玖は、本当に起きる様子もなくすやすやと気持ちよさそうに眠っていた。





「白玖さまのそのように安らかな寝顔は蒼子さんが来て初めて見ました」

「あ・・・、寝る事にも興味がないって言ってた」

「はい・・・」




様子を見に来た多々良が、穏やかな表情で白玖を見る。
見たことのない姿。




「ですが、蒼子さんに出会い、白玖さまに少しですが心が生まれたように思います」

「・・・そうだといいな」




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