しばらく歩いていると、ある建物の入口でにいちゃんは止まった。


「お前ら、各人部屋で休め」


にいちゃんがそう言うと、後ろにいた男の人達が建物に入っていく。


「にいちゃんにいちゃん、ここどこ?」


「ここが新選組の屯所だ」


あ、ここが屯所なんだ。


それも新選組の屯所。


おお!今僕は歴史の中にいる!


感激していると、にいちゃんが僕の手を引っ張った。


「こっちだ」


そのままスタスタとついていく。


外でも思ってたけど、歩くのが速い。


足長いのを自慢してんのかごらぁ!


こっちは子供で足短いんじゃボケェ!


背の高いにいちゃんを見て心の中で言った。


口では怖くて言えないし。


小走りになりながらも一生懸命ついていく。


「ここだ」


や、やっと止まった。


つ、疲れたよ。


にいちゃんは、ある襖の前で止まった。


「くれぐれも無礼の無いようにしろ」


こ、こいつ、子供相手に何いってるんだ?


偉い人の部屋なのかな?


無礼って何?そんなもん知るか!


「返事は」


「はい!」


即答で答えてしまいました。


だってにいちゃんが睨んでくるんだもん。


この人なんか凄く存在感あるし。


背が高いから上から目線だし。