「ねぇ、知ってる?青いカーネーションの花言葉はね、『永遠の幸福』なんだよ」


暖かい風が私達の間を吹き抜けた。


だけど暖かいのは風だけで、私の目の前にはボロボロになった男の人と…それを倒した男の子。


私にとってその男の子は、暗い路地裏を照らす光に見えた。


知らない男の子は私に青いカーネーションを渡し、手を差し伸べる。


不思議に思いながらもそのカーネーションを受け取り、さっきまで震えて立つことでさえできなかった足を奮い立たせた。


「…花…言葉?」


知らない言葉に戸惑う私。


すると男の子はニコッと微笑んで私についた汚れを払ってくれた。


(永遠の幸福?何?それ…)


「ふふっ。知らないか。いいや、とにかく君がずっと幸せでありますようにってこと!」


(なんで幸せを願ってくれるんだろう?)


「…うん?ありがとう…どうして私なんかの幸せを願ってくれるの?」


すると少し驚いたような表情をしてすぐに笑顔を取り戻した。


だけどその笑顔はどこか悲しそう…。


「君の瞳がとても悲しそうだから」


「……」