「朔、起きて」


身体を揺すられるのと同時に楓の声がした。

腫れぼったい目を開けば、学校の制服に身を包んだ楓の姿がある。


「楓~、おはよ~。あだっ」


抱き着こうとしたらペシッと頭をは叩(ハタ)かれた。


「何すんだ」

「それはこっちのセリフ。ほら、起きて。ご飯もうすぐできるから」


そう言って、楓はさっさと俺の部屋を出ていってしまう。

二度寝をしたいが、その欲求に負けてしまう前に布団から出て、パジャマ替わりに来てる浴衣から高校のブレザーに着替える。

そのあと洗面台の鏡をみながら暗めの茶色に染めた髪を整える。

そして、ふと横に置いた腕時計をみれば、針は7時を指していた。