あれから数日が経って、私と凛空はいつものように学校へと通っていた。

そして、今は全校集会の時間だ。

「来月に行なわれる、月影祭についてのことですが──」

全校生徒の前で、凛空は来月に行なわれる『月影祭』について話しを始める。

月影祭については、私も詳しくは知らないけど。

なんでも、月影祭の後夜祭で想いを込めたぬいぐるみを、砂時計と一緒に交換すると、両想いになれるという伝説がある。

「ねぇねぇ、凛空先輩ってかっこいいよね!」

すると、私の近くに座っていた女の子たちが、凛空を見て頬を染めていた。

(かっこいい、か……)

凛空の様子を見に行った時、なんで自分があんなことを言ったのか分からない。

私の言葉のせいもあって、凛空は眼鏡からコンタクトレンズへと換えた。

だから、更に女の子たちからの人気が高まった。

(言うんじゃなかった)

月影祭は、できれば凛空と回りたい。

最初で最後の回れる文化祭だから。

でも、凛空は生徒会の仕事で忙しいんだろうな。

ぬいぐるみ交換なんてもっと無理だ。

別に好きって気持ちを込めて渡すわけじゃないから、勝手に勘違いしないでよね。

そんな私の様子に気づいたのか、親友の姫菜子が私を見て笑みを浮かべていた。

「ねぇ、凛はどうする?」

「えっ?」

全校集会が終わって、私たちは教室へと戻って来た。