ケータイ小説 野いちご

ガリ勉×メガネ=?

委員長の正体

「ごめん。俺たちやっぱり合わないと思う」

 デート2回目の今日、待ち合わせ場所にたどり着いて、会ってからものの5分もたたない間に振られた。
 告白は相手から。
 付き合ってくださいといわれて、その相手に振られる。
 高校に入ってこれでもう、3人目。
 逃げるように人ごみの中へ消えていく後姿を見るのも、もう慣れっこになっていた。

 目鼻立ちのはっきりした顔立ち。女子なら誰もが羨ましがる桜色の唇。色白のニキビ一つない肌。外見はアイドル並み。
 学校の女子の中でも群を抜いて美人だとかなり人気のある彼女の名前は、三森葉菜。

 今度こそ長続きしそうだと思ったんだけどなぁ……。
 待ち合わせ場所の噴水のそばの椅子に座り込みながら、腕を組み、不満げに首を傾げる。
 諦めのため息を一つ。
 顔はいいのにすぐに振られてしまう原因は、自分でも分かっている。
 それは男の子と1対1だと緊張してろくに話が出来ない体質のせいだった。
 緊張で言葉が空回りしてうまく話せない。ふたりきりになってしまうとどうしても相手を意識してしまい、恥ずかしくて言葉が交わせないのだった。
 男の子が話しかけてくれる言葉に、ただ笑って相槌を打つことしかできない。
 今度の男の子は、学校でも普段から物静かな優等生だったし、言葉を必要としない、一緒にいる時間を大切にしてくれそうな感じだったから、長続きできるかなぁって淡い期待を抱いていたんだけど。
 無理だったかぁ。

 大体さ、こんな私の外見にばっかりとらわれて、ろくに中身を知りもしないまま別れるってどうかと思うよ。
 一番大事なのは性格でしょ! その性格を知るまでもなく振るってどうよ!?
 私だって長く付き合っていけば、きっと普通に話せるようになるのに……たぶん。

 夏休み最後の休み、朝一番で映画デートを楽しむはずをだったのに、今日一日暇になってしまった。
 納得もいかないままぼんやりと、空に広がる透けるような青空を見上げた。
 まだ眩しい真夏の照りつける太陽。せみの鳴き声も、より暑さを倍増させてくれるようだった。 
 おニューの帽子を目深にかぶりなおして、立ち上がる。
 あてもなく足を踏み出したところで、目の前を知った顔が通り過ぎた。

「あ。委員長」

 思わず声をかけてしまった。

< 1/ 48 >