いつものように、なんの予定も誰との約束もないままに休日を過ごしたら、憂鬱な月曜の朝がやって来た。

(あー…気が重い…。)

いつも通りに出勤した薫は、いつもと違って、他の女性社員と同じようにオフィス用の制服を着て、ほんの少しぎこちなくSS部に向かって廊下を歩いていた。

(今日は1日中会議漬けだな…。)

薫がエレベーターの前で小さくため息をついた時、誰かが薫の肩を叩いた。

振り返ると、満面の笑みを浮かべた志信がそこにいた。

「おはよう、卯月さん。」

「あ…笠松くん…。おはよう。」

志信は憂鬱そうな薫の顔を見て笑う。

「なんだ、朝から元気がないんだな。」

「気が重いんだよ。今日は1日中、この制服着て本社に居なきゃいけないし…会議漬けだからね。」

「制服嫌い?」

「似合わないから。つなぎの方がいい。」

薫がまたため息をつくと、志信は笑って薫の背中をポンポンと叩いた。

「元気出してよ。制服も似合ってるよ?」

「またまた…。お世辞はいいよ。」