【渉side】
たった1週間だけど、乃愛と過ごした倉庫には、乃愛の香りや、思い出が詰まっている気がして。
そこへ行くことが出来なかった。
街をふらつく気にもなれず、珍しく家の中に引きこもる日々。
……誰にも会いたくねえ。
陽の光が差し込む窓にはカーテンを閉め。
薄暗い部屋の中、ベッドに寝ころび瞳を閉じる。
そうしてても脳裏に映る、最後に見た、乃愛の悲しそうな瞳……。
でも、もういい。
俺が心配することじゃない。
俺を嫌いにならせるために、わざと傷つけたんだから。
そんな乃愛を支えて守るのは、もともと新藤の役目なんだから……。