――バンッ!


扉を開けた途端、涼しい風が、あたしの髪をなびかせた。



ここは、屋上。


立ち入り禁止の貼り紙がしてあるのに、鍵は開いてるんだって圭太がこの間教えてくれた。


お兄ちゃんをはじめ、煌蘭のメンバー達が時々ここへ来たりしているらしい。


でも、この時間はここに来ないはず。


空き教室でお昼ごはんだから。



となると、この時間は誰もいないと思ったんだ。




「おーい」



後ろから、渉の声。



……ついて来てるとは思ったけどさ。


あたしがお弁当持ってるんだし。



「なんだっつーんだよ。いきなり教室飛び出して」