「行ってきまーす」
玄関を開けると、家の前でバイクに寄りかかりながらスマホをいじる男子が居た。
……はぁ。
もうおなじみとなったこの光景にもウンザリ。
「オッス、今日は一段と遅えな」
「いつも通りですー」
あれから歯を磨いて、軽くメイクをして。
毛先のハネが気になったから、ブローをちょっと頑張ってただけ。
いくら、学校生活を謳歌出来ないからって、身だしなみには手を抜きたくないもん。
「そうか?日に日に遅くなってねえか?」
「朝は色々忙しいんですー」
「へー。…にしても、約束の時間10分も過ぎてるし。場合に寄っちゃ遅刻だぜ?」
「だったら待ってなくていいのに」