結局保健室の場所があたしも渉も分からなくて、この体勢のままグルグル校内を巡ってしまった。
ところどころ、ドアが開いてるクラスがあって、そのたびにあたしは渉の胸に身を潜めた。
……とりあえず、お兄ちゃん見つからないで良かった。
ばさっ。
保健の先生は不在で、あたしはベッドに寝かされた。
……というか、正しくは投げられたんだけど……。
「あ、あのね、連れてきてもらってあれなんだけど…あたし別に具合なんて悪くな……
……えぇっ?」
隣のベッドでは、すでに渉が横になっていた。
……ちょっと。
あたしは体を起き上がらせて、そんな渉を見下ろした。