真夏の海は目に痛い。

 きらきらと波に光が反射するさまは美しく。

 こんな花嫁なんかより、余程、輝いている、と瑠可は思った。

「本日はおめでとうございます。

 本当にお綺麗な花嫁さんで」
と一真の同僚たちが挨拶に来てくれる。

 いいえー、とんでもない、と言いながらも、親たちはちょっと得意げだった。

 神殿のような造りの式場だけでなく、控え室からも海が見えた。

 瑠可は、ぼんやりとそれを眺める。

「そうなんですよ。

 私、そっくりでしょう?」
と里が余計な口を挟み、事情を知らないスタッフたちが、はあ? という顔をしていた。

 また母親と揉め始める。

 まあまあ、とおじさんが止めていた。

 美しい式場だ。

 夢に見た通りに。