ーーーその日の午後、俺たちはこの町を出発した。




旅に必要なものは、持ち歩いていた金で全てガイドンに買わせに行かせた。




それはーーー



俺やニカが下手に町に出てしまえば、ひっそりと隠れている『仮面の男』の仲間に見つかってしまう可能性があると感じたからだ。











「ーーーこっちですよ、ジョンさん!」





ガイドンは相変わらずの陽気な声で、盲目の俺の手を引いている。





「……っ…ガイドン。
手を引いてくれるのは嬉しいが、少々声がでかかいぞ。もう少しボリュームを下げてくれ…」




「わかりやした!!!ジョンさん!!!」




「………っ」









こいつには本当に感謝している。




だがいつもドジをやっているから、また何かやらかしてしまわないか少々不安だ。




俺やニカと全く関係のないこいつが被害にあってしまうなんてことがあったら、俺は一生罪悪感にとらわれて生きていくしかない。




頼むから案内以外に何もしないでくれ。




ガイドン……