「おーい、じゃあ自己紹介だけぱっぱとな」 うるさくなり始めた教室に向かって担任のまっつんこと松本先生は、そう言った。 黒板のほうにくるりと向き、チョークを取った。 “花崎莉子(かさきりこ)”と右側にひらがなで読み仮名をふり、もう一度、生徒がいる方向へと向き直った。 「えっと、今日からお世話になります、花崎莉子です。よろしくお願いします」