ケータイ小説 野いちご

不良の品格

わるいひとをさがす





景色が鬱陶しいほどの橙色に染め上げられる。野球部の声もどこか遠くから聞こえていた。

どこもおかしくない、いつも通りで、ありきたり。

────世界は一見、平和だった。



驚いたように目の前の惨事を見つめていた彼女はしばらくそこに立ち尽くした後、どこかに消えた。

次に戻ってきたとき、その手には箒とちりとりがあり、彼女は一人で黙々と手を動かす。


しゃがみ込んだ拍子に黒くて長い髪が波打った。

名を、小峰さんという。

彼女の手の中がキラリと光った。
彼女は僕に、気が付かない。



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