「王子様〜!!」


「きゃー!こっち向いて〜っ!」


校門を通ると聞こえてくる女たちの叫び声。


俺が入学式してからずっとこうだ。


いつの間にか〝王子様〟になってるし。


俺が総長になった時は本当にすごかった。


隠してたのにどっからバレたのやら。


告白ラッシュで大好きな学校も嫌いになったっけ。


でもサボるのは嫌だからいつもギリギリに来るようにしている。


なのに、これだから。


そろそろ嫌気がさす。


「おー!啓介、今日も朝からご苦労さん!」


「おはよ」


教室に入るといつものごとく遼が挨拶してくる。


遼が朝からいるなんて、槍でも降るんじゃ?


…ま、たまにはこんな朝もありだな。